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京都国立博物館 メールマガジン 第52号 2010年10月1日
配信日時:2022/02/15 20:27
京都国立博物館 メールマガジン 第52号[KNM:0052]
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季節ごとに新しい衣服を手にし、それが汚れたり、流行遅れになった
りして着られなくなると、さほどのこだわりもなく処分する、というの
が現代の暮らしではないでしょうか。
染織史研究に携わっていると、ほかの分野に比べ、なぜこれほど現存
する作品が少ないのか、ということを一度は考えることになります。そ
の理由としてはまず、現代の私たちと同じように、保存すべき衣服は、
慶事での特別な装いなどのように、当初から選別されていたことが挙げ
られるでしょう。そしてさらに、そのような衣服のほぼすべてが絹製品
であり、保存が難しいうえに衣服としての耐用年数が短い、ということ
が付け加えられます。正倉院などの特殊な事例を除いて、染織品が伝え
られることが少ない理由はここにあるのです。
このたび開催する特別展「高僧と袈裟」には、数百年、時には千年以
上もの間、大切に守り伝えられてきた衣服・袈裟を展示します。袈裟と
は、釈尊が定めた、仏教の僧侶が着る制服です。その多くが絹という保
存の難しい素材でありながら、なぜ袈裟は守り伝えられてきたのでしょ
うか。それは、袈裟が単なる衣服ではなく、かけがえのない宝物として
別格の価値を有していたからにほかなりません。そしてその価値とは、
染織品そのものの価値というよりはむしろ、その袈裟を誰が着ていたか、
つまり着用者ゆえに生まれるものでした。
この展覧会では、袈裟と、その伝承着用者の肖像や手跡をともに紹介
することにより、かつて高僧という人格のもとにひとつであった関係を、
もう一度結び合わせたいと思っています。そして、時代による袈裟の変
遷を辿りながら、袈裟を通して日本仏教の歴史を眺め、あわせて、着用
者が判明するため、東アジア染織史上の基準作としても取り扱われる袈
裟の意義を、繊維の拡大写真などの分析を通して確認できればと考えて
います。
韓国・中国などで調査を重ねてきましたが、仏教が伝えられた東アジ
アの国々で、これほどの多くの、そして古い時代の袈裟を伝える国はほ
かにありません。袈裟が秘める物語をひもとく機会になればと願ってい
ます。(列品管理室 主任研究員 山川曉)

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【まもなく開催の展覧会】

[特別展覧会]
文化財保護法60年記念事業
高僧と袈裟(けさ)―ころもを伝え こころを繋(つな)ぐ―
平成22年10月9日(土)縲・1月23日(火・祝)
会場:特別展示館
僧侶が身につける衣服として、目にしている袈裟。日本の寺院では、空
海・最澄といった平安時代の高僧や、無準師範・夢窓疎石といった高名
な禅僧が着用したとされる袈裟が秘蔵されてきました。これらを一堂に
会し、袈裟を通して見えてくる日本の仏教と染織の歴史を辿る、初めて
の試みです。
詳細はこちら→
http://www.kyohaku.go.jp/jp/tokubetsu/101009/tokubetsu.html
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【土曜講座】
事前申込制となっております。定員になり次第受付を終了します。
【時間】13時30分縲・5時【定員】190名【聴講料】無料
【会場】京都女子大学J校舎5階J525教室

○平成22年10月9日(土)
タイトル/糞掃衣と金襴袈裟にみる袈裟の変遷
講 師/大和ミュージアム学芸員 松村薫子
*特別展覧会「高僧と袈裟」関連講座

○平成22年10月16日(土)
タイトル/袈裟からたどる東アジアの染織史
講 師/京都国立博物館主任研究員 山川 曉
*特別展覧会「高僧と袈裟」関連講座

○平成22年11月6日(土)
タイトル/袈裟の紡ぐ物語―智泉聖通尼の生涯と袈裟―
講 師/大谷大学教授 モニカ・ベーテ
*特別展覧会「高僧と袈裟」関連講座

申込方法・会場へのアクセス等の詳細はホームページでご確認ください。
詳細は→http://www.kyohaku.go.jp/jp/kouza/index.html
PDF版は→http://www.kyohaku.go.jp/jp/pdf/kouza2010-10_11.pdf
携帯版は→http://www.kyohaku.go.jp/i/doyou.html

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【国際シンポジウム】

【テーマ】染織品にみる東アジア交流
竏酎v・元・明時代の中国とその周辺竏箪r
【日 時】平成22年11月13日(土) 午後1時縲怩T時
【会 場】国立京都国際会館 アネックスホール
【聴講料】無料

申込方法等、詳細はこちら→
※事前申込制となっております。10月1日より受け付けます。
http://www.kyohaku.go.jp/jp/kouza/symposiu/index.html

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【イベント情報】

●自転車をこいで脂肪を燃やし音楽にしよう!自転車発電エコライブ
【日 時】平成22年10月15日(金)
     開演:17:00(19:30までを予定)
【会 場】京都国立博物館 丸池前 入場無料
昨年7月に開催した自転車発電エコライブを、今年も夜間開館日
にあわせて行います。ライトアップされた夜の博物館もお楽しみく
ださい。
※出演者等、詳細はこちら→ 
http://www.kyohaku.go.jp/jp/kouza/index04.html

●京都・らくご博物館【秋】 縲恪g葉寄席縲彌r
【日 時】平成22年10月22日(金) 
     開演:18:30(開場:18:00)
【会 場】ハイアットリージェンシー京都 ドローイングルーム
【料 金】全席指定 3,000円
※出演者等、詳細はこちら→ 
http://www.kyohaku.go.jp/jp/kouza/index03.html

●留学生の日
【日 時】平成22年10月23日(土)
     9:30縲怩P8:00 *入館は17:30まで
【会 場】京都国立博物館
【料 金】無料 入館の際に学生証をご提示ください。
 京都国立博物館では、留学生の方々に日本文化への理解を深めてい
ただくため、「留学生の日」を設けています。特別展覧会「高僧と袈裟―
ころもを伝え こころを繋ぐ―」が無料でご観覧いただけるほか、(財)煎
茶道方円流のご協力によるお茶会をお楽しみいただけます。
 留学生の方は、この機会にぜひご来館ください。

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【今後の展覧会】

[特別展覧会]
上野コレクション寄贈50周年記念 
筆墨精神(ひつぼくせいしん)―中国書画の世界―
平成23年1月8日(土)縲・月20日(日)
会場:特別展示館

同時開催 [特集陳列] 
生誕125年記念 篆刻家(てんこくか) 園田湖城(そのだこじょう)
平成23年1月8日(土)縲・月20日(日)

[特別展覧会]
法然上人800回忌
法然 生涯と美術
平成23年3月26日(土)縲・月8日(日)
会場:特別展示館

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【全館休館について】

京都国立博物館は、平常展示館建替工事に伴い、当分の間平常展示を
休止し、特別展覧会期間中のみ開館となります。
全館休館の予定は下記の通りです。
また、工事車両通行に伴う安全上の観点から、「西門(正門)」を閉鎖
しております。来館者の皆様の入退館は、南門(七条通り側)からとな
ります。ご来館の皆様にはご不便、ご迷惑をおかけいたしますが、ご理
解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

平成22年 8月30日(月)縲怐@ 10月 8日(金)
平成22年11月24日(水)縲怐@平成23年 1月 7日(金)
平成23年 2月21日(月)縲怐@ 3月25日(金)
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【南門施設のお知らせ】

「高僧と袈裟」展開催期間中は、下記のとおり営業いたします。
<営業時間>
南門インフォメーション、ミュージアムショップ「京都便利堂」
→9時30分縲・8時00分  (金曜日は)9時30分縲・0時00分
カフェ「からふね屋」
→9時30分縲・8時00分  (金曜日は)9時30分縲・0時00分

全館休館期間中は下記のとおり営業いたします。
<営業時間>
南門インフォメーション、ミュージアムショップ「京都便利堂」
→9時30分縲・7時00分
カフェ「からふね屋」
→9時30分縲・7時00分
<定休日>
月曜日(ただし、祝日の場合は翌日)

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【平成22年度年間スケジュール】
表面
http://www.kyohaku.go.jp/jp/tenji/korekara/pdf/H22omote.pdf
裏面
http://www.kyohaku.go.jp/jp/tenji/korekara/pdf/H22ura.pdf
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【お知らせ】

●京都市内の4館が連携しました
博物館・美術館連携協力する組織として、「京都市内4館連携協力協議
会」が平成21年度に発足しました。
4館が展開する連携事業の名は「京都ミュージアムズ・フォー」。
「京都」をキーワードにして、春夏秋冬、各館の講座をつないでいきま
す。
詳細はこちら→
http://www.kyohaku.go.jp/jp/oshirase/oshirase.html#renkei

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私たちは、平成23年国民文化祭の京都開催を応援しています。

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