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京都国立博物館 メールマガジン 第74号 2012年7月2日
配信日時:2022/02/24 16:56
京都国立博物館 メールマガジン 第74号[KNM:0074]

当館の計画停電への対応については、こちら→
http://www.kyohaku.go.jp/jp/oshirase/index04.html

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いよいよ今月29日より特別展覧会「古事記1300年 出雲大社大遷宮 大
出雲展」が開催されます。前売券の販売は7月27日(金)までですので、
お早目にお求めください。


今年は古事記1300年

 わが国現存最古の歴史書である『古事記』。同書は、古老の口伝を
太安万侶がまとめ、和銅五(712)年に元明天皇へと献上されたもの
です。今年はそれから1300年という記念の年にあたります。この古事
記に記された歴史のなかでも、とくに我々をわくわくとした気持ちに
させるのは英雄的な神々が活躍する、いわゆる「神話」の部分ではな
いでしょうか。ヤマタノヲロチを退治するスサノヲ、「因幡の白うさ
ぎ」として著名なオオクニヌシをめぐる物語など、出雲地方はその重
要な舞台となってきました。

神話の国の物語

本展ではまず最初に、神話の舞台である出雲に大きくスポットをあて
ながら、神話とは何か、あるいは古事記とは何かということを、関連
作品とともにさぐります。現存最古の写本として国宝にも指定されて
いる真福寺本の古事記や、日本書紀、出雲国風土記といった史書とと
もに、神話をテーマにした絵画作品なども出品されます。また、うし
ろを振り返った姿がとても印象的な埴輪の鹿など、豊かな造形性を示
す古墳時代の遺品も展示いたします。
さらには神話の国出雲の出発点ともいえる、荒神谷や加茂岩倉といっ
た弥生時代の遺跡から出土した大量の青銅器群も本展のみどころのひ
とつです。なぜこれほどのものが一カ所に埋納されたのかなど、いま
なお多くの謎に満ちています。

雲(うん)太(た)が京(みやこ)にやってくる

出雲といえば出雲大社を皆さんはすぐに連想することでしょう。来年
はその六十年ぶりの大遷宮の年です。ところで、その大社にまつわる
「雲太、和二、京三」という言葉はご存じでしょうか。これは建物の
大きさを巨大さの順にあらわしたものです。雲太とは出雲大社、和二
は東大寺大仏殿、京三は平安京大極殿のことですから、出雲大社は当
時最大級の建築物でもありました。日本書紀では、オオクニヌシが天
孫へ国を譲る代償として、出雲大社が造営されたと伝えます。その高
さは約48メートルとも、その倍ともいいますが、それを裏付けるかの
ように巨大な鎌倉時代の宇豆柱が境内から発見されました。本展には
その実物が出陳されますので、その巨大さを是非とも実感してくださ
い。

今夏は京都が神在月

わが国で唯一「神無月」を「神在月」と称する出雲には、数多くの神
が祀られてきました。本展にも赤穴八幡宮の八幡神をはじめとする、
多数の神像がおでましになります。また、秋野鹿蒔絵手箱など、神々
に捧げられたご神宝類にみられる見事な装飾は、当時の人々が神を畏
れ敬う気持ちが結晶したものといえるでしょう。
さて、神々の国である出雲は一方で、数多くの仏を祀る国でもありま
した。秘仏として普段は拝することのできない華蔵寺の薬師如来坐像
をはじめ、出雲のほとけたちも一堂に会します。

以上、本展の内容を簡単にご紹介してきましたが、「空前絶後の大出
雲展」といっても過言ではないでしょう。本展を通じ神話の国出雲の
全貌に触れていただけましたら幸いです。

(学芸部保存修理指導室長 淺湫 毅)


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【次回の展覧会】

[特別展覧会]
古事記1300年 出雲大社大遷宮 大出雲展
平成24年7月28日(土)~9月9日(日)
会場:特別展示館
本展は、古事記編纂1300年、そして平成25年に約60年ぶりで行われる
出雲大社大遷宮を機に、出雲の古社、そして関わりの深い古寺の宝物と、
出雲の重要遺跡から出土した品々を一堂に紹介する空前絶後の展覧会で
す。本展の事前調査による新発見も盛り込んで、出雲神話と出雲大社の
成り立ち、古代・中世の出雲人がはぐくんだ神と仏への祈りのかたちを
展望します。
展覧会概要はこちら→
http://www.kyohaku.go.jp/jp/tokubetsu/120728/index.html


*関連イベント*

●小中学生向け鑑賞会
第11回 少年少女博物館くらぶ 「神話の国、出雲のヒミツ!」
【日 時】8月7日(火)・8月10日(金)
 両日とも午前10時30分より 40分程度 各回とも内容は同じです。
 *午前10時30分までに特別展示館前にお集まりください。
【講 師】水谷 亜希(当館研究員)
【参加費】無料(ただし、「大出雲展」の観覧料が必要です)
神話の国、出雲の地中から発見された、美しい勾玉や、大量の銅剣や
銅鐸、日本最古級の人物埴輪などを分かりやすく解説。
最近発掘された柱などをもとに、「雲太(うんた)」と呼ばれた伝説の
出雲大社の大きさも体感していただきます!


●京都の中・高生による「石見の夜神楽・大蛇」
【日 時】8月3日(金)、8月10日(金) 両日とも19時~
【会 場】京都国立博物館中庭
【演 者】京都光華中・高等学校 神楽和太鼓部
【観覧料】無料(ただし、入館料は必要)


●神々の国 しまねの神楽
【日 時】8月26日(日)、9月2日(日) 両日とも13時30分~16時40分
【会 場】京都造形芸術大学 京都芸術劇場(春秋座)
【観覧料】無料(島根県立古代出雲歴史博物館へ事前に申込が必要)

・8月26日(日) 出雲神楽
【演 者】佐陀神能(ユネスコ無形文化遺産・重要無形民俗文化財)
     大土地神楽(重要無形民俗文化財)

・9月2日(日) 隠岐神楽・石見神楽
【演 者】島後久見神楽(県無形民俗文化財)
     石見神楽温泉津舞子連中、京都瓜生山舞子連中


申込み方法等、詳細はこちら→
http://izumo2012.jp/event.html

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【今後の展覧会】

[特別展覧会]
宸翰(しんかん) 天皇の書―御手(みて)が織りなす至高の美―
平成24年10月13日(土)~11月25日(日)
会場:特別展示館
意外かもしれませんが、歴代の天皇はみずからの手で多くの作品をのこ
しています。とりわけ、天皇の書は「宸翰」とよばれ、プライベートな
ものから、国家の安泰を願うものまで、じつにバラエティー豊かです。
いずれもが帝王としての気品と風格をそなえており、まさに「書の王者」
といっても過言ではありません。本展では、奈良から昭和時代までの宸
翰、140件ちかくを一堂に集結し、その魅力にせまります。 

[特別展観]
国宝 十二天像と密教法会の世界
平成25年1月8日(火)~2月11日(月・祝)
会場:特別展示館
承和元年(834)、空海は、宮中で後七日御修法(ごしちにちのみしほ)を
始めました。これは正月に国家の鎮護を祈る修法で、現在でも東寺にお
いて続けられています。当館には大治二年(1127)にこの修法のため新
調された十二天像が完全セットで残されています。本展では、これを一
堂に展示し、国宝 山水屏風(当館蔵)など関連遺品とあわせて紹介し
ます。後七日御修法と灌頂(かんじょう)という真言宗の重要法会を軸に
密教文化の精髄に触れて頂きます。 

[特集陳列]
成立800年記念 方丈記
平成25年1月8日(火)~2月11日(月・祝)
会場:特別展示館
鎌倉時代を代表する随筆として知られる『方丈記』は、鴨長明が建暦二
年(1212)三月に執筆したもので、平成24年(2012)には成立800年と
いう大きな節目を迎えます。これを記念して、現存最古の写本として名
高い、大福光寺本『方丈記』(重文)を中心に、関連する資料を合わせ
て展示します。

[特別展覧会]
狩野山楽・山雪(仮称)
平成25年3月30日(土)~5月12日(日)
会場:特別展示館
狩野永徳展、長谷川等伯展から数年ぶり、近世絵画の大展覧会。
狩野山楽と山雪は、桃山時代から江戸初期の京都で活躍した画家です。
山楽は、永徳の豪壮な造形を受け継ぎ、さらに後継の山雪は、水墨画・
金碧画にわたって驚くべき個性的な絵画を生み出しました。彼ら実力派、
初の本格的な回顧展。濃厚華麗な障壁画をはじめ、代表作、海外から初
里帰り、新発見、初公開をふくむ名品の数々によって、まぶしいほど魅
力あふれる世界をお楽しみいただきます。

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【年間スケジュール】

平成24年度年間スケジュールの詳細はこちら→
http://www.kyohaku.go.jp/jp/tenji/korekara/index.html

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【京都国立博物館オリジナルグッズ】

詳細はこちら→
http://www.kyohaku.go.jp/jp/oshirase/new_museum_goods.html

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【京都国立博物館文化財保護基金】

貴重な文化財を将来にわたって守り伝えるため、「京都国立博物館
文化財保護基金」を創設しました。
趣旨にご賛同いただいた方からの寄付金が、文化財の修理費用などに
あてられます。館内募金箱へのご寄付のほか、ロゴマークの付いている
ミュージアムグッズを購入されると、売上の一部が文化財保護基金に
寄付されます。
ミュージアムショップ他で販売していますので、ご来場の際には、ぜひ
手にとってご覧ください。また、オンラインショップも開設しましたの
でそちらもご利用ください。

詳細はこちら→
http://savekyoto.jp/

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【南門施設のお知らせ】

全館休館期間中は下記のとおり営業いたします。
<営業時間>
南門インフォメーション、ミュージアムショップ「京都便利堂」
→9時30分~17時00分
カフェ「からふね屋」
→9時30分~17時00分
<定休日>
月曜日

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【全館休館について】

京都国立博物館は、平常展示館建替工事に伴い、当分の間平常展示を
休止し、特別展覧会期間中のみ開館となります。
全館休館の予定は下記の通りです。
また、工事車両通行に伴う安全上の観点から、「西門(正門)」を
閉鎖しております。
来館者の皆様の入退館は、南門(七条通り側)からとなります。
ご来館の皆様にはご不便、ご迷惑をおかけいたしますが、
ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

平成24年 5月28日(月)  ~       7月27日(金)
平成24年  9月10日(月)  ~      10月12日(金)
平成24年 11月26日(月)  ~ 平成25年  1月 7日(月)
平成25年 2月12日(火)  ~       3月29日(金) 

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【お知らせ】

●京都国立博物館の情報をラジオでお知らせします!
FM COCOLOの「AFTERNOON DELIGHT」にて、毎週木曜日14:25から15分間、
京都国立博物館のコーナーが放送されています。
展覧会の見所や博物館のよもやま話など、ここでしか聴けない話が満載
です。

●京都ミュージアムズ・フォー
4館が展開する連携事業の名は「京都ミュージアムズ・フォー」。
「京都」をキーワードにして、春夏秋冬、各館の講座をつないでいき
ます。
詳細はこちら→
http://www.momak.go.jp/m4/index.html  
平成24年度パンフレットPDF版(連携講座/主な展覧会スケジュール) 
http://www.momak.go.jp/img/2012/m4pamphlet2012.pdf

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